ヒメユリ

百合小説サークル「ヒメユリ*ひメユり」です。主に活動と百合について語ります。
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オリジナル短編百合小説「distance」

連投6日目!取りあえず、コレを持って一旦投稿やめます。
気が向いたら書くかなぁ?

熱の華、夢のおわりと恋の始まりの2人の物語です。


「distance」


追記からどうぞ





distance  

  「あーもぉ、情けなかぁ~」

 本日もいまいち授業に身が入らんと終わってしまった。楓(かえで)と付き合い始めて、ちょっとだけ、学生の本分から脇道に逸れそうで怖い。放課後の嵐の様にやってる来る楓は、相変わらず大暴走。クラスの子達も最初こそは驚いてちょっとヒソヒソされたけど、今は気にもしないで、抱きつかれてるあたしに、なにもなかった様に挨拶をして、この場を去ってく。楓もそれに「じゃぁねー!」と愛想振りまく。もともと楓自身が人懐っこい性格なので、みんなに好かれるようだ。
 で、あたしが本日どうしていつもよりも輪をかけてソワソワしているかというと、一昨日の話。

  「ねー今度さ、利伊奈(りいな)のお家行っても良い?」
 
 帰り道、楓が突然そんなことを言って来た。あたしは家を出てる身なので、本当は寮に入る予定だったのだが、母の弟であるおじさんが経営する、ワンルームマンションに空きが一つできたので、そこに格安で入る事になった。おじさんの家族が一番上の階に住んでいるから、安心だと母も判断したらしい。そんなでまぁ、人が来ても男の子じゃなければ何も言われない。  

  「別によかけど、あたし一人やけん、なにもおかまいできんとよ?」
  「アハハ、いいよー、利伊奈がいたらそれでOK!」
  「はぁ……」

 そんな事があり、本日は楓があたしの家に来る日なのだ。しかもお泊まりとかなんとか……。
 べ、べつにあらぬ期待をしてるわけじゃなくて、普通に人が泊まりにくるのが初めてだからなんだか落ち着かないだけであると、最初に言っておく。

  「じゃ、いこっか利伊奈」
  「うん」

 はあああああ。どうなる事やら……。あたし達は、そろそろ暗くなる帰り道を急いだ。


 *  *  *
 

  「今日知ってるぅ~?」
  「なんが?」
  「流星群!!」
  「はっ?!」 

 家に帰り、コンビニで買ったお弁当で簡単にごはんを済ませてから、あたし達はなんとなーくテレビをみて笑ったりしていた。そんな時、楓が思い出した様に流星群の話題を切り出した。
 そう言えば、朝ニュースでチラッとそんなことを言っていた気がする。流星群と言えば、数年前に、真夜中、家族に文字通り叩き起こされて渋々と外に出てみたアレのことか。……うちの実家のような山奥ならまだしも、こんな都会の明るい空じゃ見えない気もするけど。

  「なんか、今晩が一番綺麗にみえるらしいんだよね」

 そんなあたしの心配をよそに、楓は鼻息を荒くしながら、そう意気込んでいた。

  「利伊奈の部屋から見えるかなぁ~」
  「うーん、……無理やと思うよ?」
  「えぇええええ!!」

 あたしの一言にとんでもなくへこむ楓。普通考えたらわかるでしょ、星は明るいとこやと見えないってくらい。

  「私、利伊奈と一緒にみたかったのにぃ~、一杯願い事とかしようと思ってたのにぃ!」

 相変わらずの小学生的な発想には、さすがに慣れたけど、ま、確かに楓の言うとおり、二人で一緒に見る事ができたらすごく……ステキかな……。

  「んー少しは見えるかもしれん。わからんけど」
  「ほんとにぃー?!」

 あたしは立ち上がり、窓をあけてみた。案の定、空の星なんてみえるどころか、部屋なかの電気が邪魔で余計星なんて見える気がしない。都会はほんとに星がない。あたしの田舎はも少し星の数があった。だけどこっちの空は薄ら明るいただの闇。あまり好きじゃないなぁ。

  「みえないなぁ~」
  「まだ9時頃やし、もう少し時間経ったら多少暗くなるちゃろ。どうせ見えるまでに時間がかかると?」

 あたしの言葉に反応して楓がブツブツ言いながら携帯電話を触り始めた。どうやら流星群がみえる予想時間帯を調べるようだった。

  「午前2時が一番見えるんだって!そういえば学校の先生も言ってた」
  「2時ぃ??」

 あんた今、何時だと思ってます??まだ9時よ?それまで何するつもりなんですか。あ~DVDでも借りてくるべきやった・・。

  「とにかく宿題して、お風呂も入って、寝るだけの状態にしとこ」
  「えーしゅくだーい、やだー」
  「しろっ」

 いつもどう言う生活してるんだか、このお姉さん。あたしはため息を一つついてお風呂を入れに行く。……ん?まてまて、あたし達って確か恋人だったよね?お湯をはる準備をしながら、ふとそんな事を思い出した。つき合い始めてもう1ヶ月にもなるけど、関係と言えばつき合う前と全く変わっていない気がするのは気のせいだろうか……。コレじゃまるで、友達以上、恋人未満だな。

  「ねー、利伊奈、ここわかんない、教えてー」
  「はぁ?無理に決まっとるやろ」

 楓はエヘへーだーよねーとか言いながら、再び自分の宿題に向かいはじめた。……もしかして、わかってやってるでしょ、楓。ちらりと彼女を見ると、さっきまでのヘラヘラした顔とは一変して、真面目な顔つきで問題を解いている。こう言う時、急に年の差を感じてしまう。やっぱり年上なんだなーとか。楓はこんなでも意外に成績がいい方だってのは、この間真雪(まゆき)先輩から教えてもらって初めて知った事実。あたしの前では、あまりそんな片鱗を見せないけど……こういうのをギャップ萌えというんだろうか…。うむ。

  「利伊奈は何をお願いするの?」

 一通り、やる事を終えてしまったあたし達はひとつしかないベットの上で、ふたりしてぼぉ~っと窓の外を見ていた。

  「そんなん、人に言うたらさ、お願いにならんもん」

 ホントは考えてない。ま、するなれば、楓と一緒に幸せになれますようにーとか、お金いっぱいもらえますようにーとか、成績があがりますようにーとか、そんなもんかな?

  「それもそっか、じゃわたしも言わない様に気をつけなくちゃ」
  
  心なしか、赤い顔をして楓が笑うので、なんとなく意地悪したくなっちゃって、珍しくあたしから駄々をこねてみる。願い事が知りたいって。

  「人に言ったら叶わないって利伊奈がさっき言ったんじゃーん」
  「いいっちゃろ、ノーカンノーカン」

 二人ともから同じシャンプーの香りがしてちょびっとだけテンションが上がる。何となく彼女に触れたくなって、それでも遠慮して、彼女の肩をつつく。

  「やーだー」
  「おしえろー」

 クスクス笑いながらあたしの手を軽く払う、面白くなっちゃって、今度は脇腹をつつく。すると彼女はキャーと悲鳴を上げて必死で身をよじらせる。

  「楓、くすぐりに弱いっちゃね!」
  「え、……まって、ホント苦手だから」

 若干青ざめる彼女の顔を知らん振りしてあたしは両手で彼女の両脇腹をくすぐり始めた。想像通り、大きな声で笑いながらやめてと叫ぶ楓。なんだかいつもやられたい放題だったから、ちょっと楽しいかも。そんなSっ気な気持ちでガンガンと彼女を責める。

  「わかった、こ、降参!言う、言うから!!」

 遂に落ちた彼女からパッと手を離すと、彼女はぐったりとベットに横たわって、はーはーと呼吸を整えていた。……あれ、……なんかこれ、ちょっと…エッチな感じがす……。
 そんな事に気がついてしまったあたしは、急に体中がカアッと暑くなって、ベットから飛び降りて冷蔵庫へ向かった。
 なななななななな、なにやってるんだ、あたし。

  「あーれ?利伊奈ぁ?」

 ベットの上に置いて来た楓が、突然居なくなったあたしを捜している声が聞こえた。あたしは冷蔵庫を開けてお水を取り出し、グラスについで一気に飲み干した。

  「はぁっはぁっ」なにやってんだか……。ほんとに。
  「利伊奈ー?だいじょうぶ?」

 深呼吸を一回して、振り返ると、楓がベットの上に再び座ってこっちを心配そうに見ていた。すこし落ち着きを取り戻したあたしは、再び彼女の隣に戻る。

  「どしたの?」
  「…か、楓が……その、ちょっと、え、エッチやったけん」
  「ふぇっ!?」

 あたしの言葉に今度は楓が顔を真っ赤にする。おそらく楓も今の今まで、あたし達の関係が恋人だと言う事を忘れていたに違いない。

  「こ、恋人やったよね、あたし達」
  「う、うん、そうだね」

 別にこう言うの期待はしてないけど、あたしだって、多感なお年頃やから、こう言うの気にはなる。別に、その……エッチな事がどうのこうのってわけじゃなくて、もっと恋人っぽい雰囲気とか、そういうのにもやっぱり憧れる。

  「願い事、……利伊奈がかなえてくれる?」
  「なんよ?」
  「今日、利伊奈とキスができますよーに…なぁんて」
  「!!」

 キキキキキ……キスー!あたし、今の今までそんな事した事ないですよ!!どうすれば良いんだかわからないし、まず、目をつむるタイミングとか、どれくらい顔を近づければ良いかとか、口はどんな形ですればいいのかとか、呼吸はどうやってするものなのかとか、どのくらいの時間するものなのかとか…とか、とか!!!!知らないんだけど!!!

  「だめ…かな」

 心なしか潤んだ目をしてる楓に、あたしは首を振ってかろうじて聞こえるような声でダメじゃないと答えた。思っても見なかった瞬間が、またもや急にやってくる。どうして良いのかわからないあたしは、じっとあたしを見つめている楓を見つめ返した。
 息が止まりそうになる。呼吸の仕方を忘れそうだ。…なんだっけ、なんだっけ?2回吸って大きく吐く奴か!…て、それはラマーズ法だし。そうしている間に、楓の顔が一層近づいた。

  「目、閉じて」

 近づいた唇がかすかに動いて小さな声が聞こえる。それから、楓が恥ずかしそうにぎゅっと目を閉じる。それに気がついてあわててあたしも目を閉じる……。ん?……。これじゃ見えんと。
 勝手が分からないから、 かすかに目をあけて徐々に上がってくる体温と熱気とに背中を押されて一気に唇を重ねる。うわーめちゃくちゃやわらかい……。

 気がつくと楓が震えてる。慌ててぱっと体を離そうとすると、ダメッと言われてまたグイッと体を戻される。今度は楓が思いっきりあたしを抱きしめて。

  「顔見られるのはずかしい…私、今めちゃくちゃドキドキしてる……」

 告白されたときみたいにぎゅって思い切り抱きしめられてまた酸欠になりそう。だけど今はあたしも一緒だし。確かにあたしも顔見られたくないし。

  「でも、願い事しなくても良くなっちゃった」

 楓が耳元でささやく。それだけで心臓の鼓動が早くなる。きっと楓にも伝わっちゃってるあたしのドキドキ。
 さようなら友達以上恋人未満だったあたしたち。まだまだこれから時間とか経験とかいろいろ重ねてちょっとずつ近づくあたしたちのdistance

 流れ星へのお願いは二人お揃いで、あたし達の仲に永遠がありますように。

おわり。


from 弥家比奈 2011.6.25
前回の次段階と言えるお話ですよー。(´∀`*)ウフフ
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